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国際法模擬裁判

国際法模擬裁判とは


国際法模擬裁判とは、国際司法裁判所(ICJ)などを模した法廷で、架空の二国が争うものです。ここでいう模擬裁判は、学生の学習、リサーチによる高度な法議論、及びその内容を裁判官に正確に伝える弁論術などの優劣によって勝敗を決する本物の「裁判」に近いものです。そのため、実学を重視する欧米の大学では法学教育の一環として取り入れられ、多くの国際大会が開かれています。

その二国の間にはあらかじめ設定が用意され、その設定も含めて、二国の間における紛争が記された(そこに法的な問題が含まれる)問題文が“Compromis”という形で大会運営側から発表されます。
 
問題の例

 

問題はこのような形で切り出されます。

  1 アキラスは先進国で,ランバルドは近年,経済成長が著しい新興国である。両国間の 関係は,基本的には良好で,アキラスからランバルドへの投資は増加傾向にある。アキラ スとランバルドの間では,二国間投資協定が結ばれており,本協定の規定は英語のみを正 文としている。その条文は別添のとおりであり,本協定は 2002 年 1 月 1 日に発効した。<以下略>(2014年 Japan Cup問題文より抜粋)

 

 このCompromisの中で、2国はICJに問題を付託したことが記されます。一方が原告でもう一方が被告です。各大学はまず原告国と被告国の書面(Memorial)を作成し、それを大会運営側に送ります。数日後、模擬法廷において口頭弁論で戦う相手の書面が送られてきます。それをもとに相手の主張や裁判官の質問を想定して弁論練習を行い大会に臨みます。各大学の原告と被告の口頭弁論の点数と書面の点数によって勝敗が決まるのです。法廷の裁判官および書面の採点は大学の教授や実務家の方々、大学院生が行います。法廷のレベル年々上がっており、白熱した戦いが繰り広げられています!

私達が参加する大会

1. Japan Cup / Asia Cup Japan Round

 国際法学生交流会議(ILSEC)が主催している夏のメインイベント。どちらも問題文は同じですが、前者は日本語での弁論、後者は英語での弁論を行います。前者は国内大会で、構成校は16校(2008年現在)と規模の大きいものです。優勝すると香港人道法大会への参加資格がもらえます。後者は2008年から始められた大会で、構成校は少ないですが、Asia Cupへの参加資格を争うもので、英語が得意な方の活躍の場です。
 大会の位置づけは一年生が模擬裁判の世界に足を踏み入れるきっかけという感じです。2年生のみで出場するチームもありますが、1年生と2年生が組んで出場することが多いです。SILCも1,2年ペアで臨み、2012年大会では優勝を果たしました。

 

2. Philip C. Jessup International Moot Court Competition

 通称Jessup。京都で行われます。最も大きな大会で、最も高いレベルの戦いが繰り広げられる大会でもあります。活動の全てはこの大会のために行っていると言っても過言ではありません。優勝すればワシントンで開催される国際大会に出場できます。ワシントンでは本物のICJの判事が裁判官を務めます。問題文(Compromis)は質的・量的にも夏を大きく上回ります。全ての大学が主力メンバーで参加します。上智は古株ながら、これまで1度も優勝を果たしていません。現在勢いに乗ってきているので、次こそはというところです!
 詳しくはILSAJILSAのホームページにて。

 

その他
他には、春に"Manfred Lachs Space Law Moot Court Competition"が行われます。
この「宇宙法模擬裁判大会」も世界大会まである大規模なものですが、他の二つの大会とは性質が異なるため参加・不参加は年によって異なります

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